目次

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第 1 章/定義

“MMA(Mixed Martial Arts)”とは、このユニファイド・ルールや実効的なコミッションの諸規則による適正な規制を前提とし、クラップリング〔組み技〕、サブミッション〔関節技、絞め技〕、キック、打撃の制限はなく、異なる格闘技の技術を用いる、武器を持たない闘い(Unarmed Combat)を意味する。
“武器を持たない闘い”とは、重い傷害(inflict injury)をもたらさないと合理的に想定される打撃(blow)が用いられる競技の形態を意味する。
“武器を持たない競技者(Unarmed Combatant)”とは、武器を持たない闘いに参加する者を意味する。
“コミッション”とは、MMAの試合、エキジビション、競技を監督する実効的なアスレチック・コミッションあるいは管理機関を意味する。

第 2 章/試合場

  1. 試合はフェンスに囲まれたケージ内で行う。
  2. ケージは6 等辺以上のサークル状の形状であり、直径が7 メートル以上の適当な広さのものを用いる。
  3. フェンスは、競技者が落下したり、フェンスを打ち破らないような規格と素材を用い、ビニール等で適切にコーティングされていなければならない。
  4. フェンス内エリアでは、あらゆる⾦属部分を覆い、パディングされていなければならない。
  5. 試合場のフロアは、2センチ以上のウレタン製の素材でパディングし、最表面をキャンバスで覆わなければならない。パディングの素材は全体に均質なものを用い、固さにばらつきがあるものや凸凹ができるものを用いてはならない。
  6. 試合場内のフロアには、いかなる障害物も置いてはならない。

第 3 章/試合形式

  1. タイトルマッチ、またはメインイベント級の試合は、5分3ラウンドで⾏なう。
  2. その他の本戦の試合時間は、5分2ラウンドで⾏なう。
  3. オープニングファイトは、5分1ラウンドで行う。
  4. いずれの試合も各ラウンド間の休憩時間(インターバル)は60 秒とする。

第 4 章/体重階級制

1. 体重階級制

試合は次の11 階級において行われる。
① スーパーヘビー級………… 120.2kg 以上
② ヘビー級………… 120.2kg 以下93.0kg 以上
③ ライトヘビー級… 93.0kg 以下83.9kg 以上
④ ミドル級………… 83.9kg 以下77.1kg 以上
⑤ ウェルター級…… 77.1kg 以下70.3kg 以上
⑥ ライト級………… 70.3kg 以下65.8kg 以上
⑦ フェザー級……… 65.8kg 以下61.2kg 以上
⑧ バンタム級……… 61.2kg 以下56.7kg 以上
⑨ フライ級…………56.7 kg 以下52,2kg 以上
⑩ ストロー級……… 52.2kg 以下49.9kg 以上
⑪ アトム級……… 47.6kg 以下

前項に属さない試合は、無差別級とする。
タイトルマッチ及びキャッチウエイト以外の階級制試合では、0.45kg(1 ポンド相当)の許容重量が認められる。
タイトルマッチ及びキャッチウエイトでは、競技者は適正な体重階級の範囲を超えてはならない。
コミッションは、その裁量の下で、キャッチウェイトの試合を承認することができる。試合が公正、安全で競技上問題がないと判断する場合には、上の区分に関わらず、上限体重を定めることができる。

2. 公式計量

a)競技者は、審判部もしくは主催者の立ち会いのもとコミッションが指定する日時場所にて行われる公式計量に対戦相手選手と同時に検査され合格しなければならない。
b)公式計量に合格できなかった場合の最終計量は、公式計量の指定時刻から2時間以内とする(ただし、公式計量が試合当日に行われる場合の最終計量は公式計量の指定時刻から1時間以内とする)。
c)男子競技者は上半身裸、下半身は必要最低限の衣類で、女子競技者は上下とも軽装で計量を受けなければならない。
d)競技者が公式計量に合格せず、最終計量にも合格できなかった場合、原則として失格となり、契約上のペナルティが課せられる。また、計量を故意に無視する、計量に合格するまで最終計量に臨まない、あるいは、最終計量において体重が増加するなど、試合出場に向けて最善を尽くさない場合にはペナルティが加重される。
計量不合格によるペナルティ不履行にかかる裁判の管轄は、主催プロモーターの住所・所在地の裁判所とする。
e)一方の競技者が計量に合格できなかった場合でも、計量に合格した対戦相手が試合の実施を申し出た場合は、試合は行われなければならない。
ただし、試合が行われても、計量に合格できなかった競技者の勝利は記録されず、次の各号のとおり裁定される。
① 計量に合格した競技者が勝った場合は、その結果を公式記録とする。
② 計量に合格した競技者が負けるか、引き分けた場合、記録はノーコンテストとする。
f)最終計量に合格できなかった場合は下記の通り罰則を課せられる。
① 0.5 ㎏未満の超過の場合は、「注意」(イエローカード1 枚)を課せられてファイトマネー30%を対戦相手に支払わなければならない。
② 1kg 未満の超過の場合は、「警告」(イエローカード2 枚)を課せられて試合出場となりファイトマネー50%を対戦相手に支払わなければならない。
③ 1kg 以上の超過の場合は、「失格」(レッドカード)となり、ファイトマネー100%を対戦相手に支払い、対戦相手のファイトマネー全額を主催者に支払わなければならない。

第 5 章/競技用具

1. 必須用具

a)オープンフィンガーグローブ
競技においては、コミッションの承認を得たグローブがプロモーターから競技者に貸与される。競技者が自分の所有するグローブを使用することはできない。
b)マウスピース
マウスピースを装着していない状態でラウンドを始めることはできない。
マウスピースが競技中に偶然外れた場合、レフェリーは、適時にタイムを要求し、迅速にマウスピースを洗浄して再び競技者の口に入れなければならない。
c)ファウルカップ(男子)
ファウルカップは審判員により競技上支障がないと判断されたものを着用しなければならない。
d)コスチューム
競技者は、下記の要件を満たしたスパッツ、MMAショーツ、バーリトゥードショーツ等を着用する。
① ⾦属・プラスチックの部品が使用されていないもの
② 着用時にずれないための加工がされているもの
③ ポケットや紐に類するものが表側に付いていないもの
④ 清潔で破損の無いもの
⑤ ロングスパッツは禁止。膝丈上までのものに限る
⑥ その他、審判員により競技上支障がないと判断されたもの
⑦ ⼥子競技者用コスチューム(ラッシュガード・セパレート・ワンピース等)

2. 任意用具

a)バンテージおよびテーピング
①競技者は、手にバンデージやテーピングを巻く場合、拳の前面部(ナックルパート)および拳骨部分にテーピングを使用してはならない。ただし、指と指の間に細く切ったテープを通すことは認められる。
② 競技者はバンテージ、テーピングを使用する場合、内部に芯、コヨリ、その他の異物を巻き込んではならない。
また、拳に装着した状態で拳骨の形が確認できない厚さに巻いてはならない。
③ バンデージやテーピングはグローブの手首から出てはならない。
④ ハンドラップに使用できるバンデージは白色の柔らかいガーゼ製で、幅約5cm(2 インチ)以下、長さ約13.7m(15 ヤード)以下のものとし、使用できる長さは、片方の手に1 本分(1 ロール)までとする。テーピングに用いることができるテープは、競技に支障がないと審判員により判断されたもの(白色のアスレチックタイプ等)で、幅約3.8cm(1.5 インチ)以下、長さ約13.7m(15 ヤード)以下のものとし、使用できる長さは、片方の手に1 本分(1 ロール)までとする。
b)手以外の身体箇所へのテーピング
① 肘、膝周辺の関節部へのテーピングは、審判員が試合に支障が無いと判断した範囲で認められ、選手は肘・膝の先端部分をテーピング等で覆ってはならない。
② テーピング等の使用にあたっては、素材や数量等について審判員による安全性のチェックを受けることとし、安全性が確保されていることが認められた物のみ使用することが出来る。
③ テーピング等の装着完了後、所定の時間前までに審判員のチェックを受けなければならない。
c)サポーター
競技者は、⾦属・プラスチック・硬質ゴム等の部品が使用されておらず、また、緩衝素材等によるパディングがされていないもので、審判員が競技に支障がないと認めるサポーター類を着用することができる。
d)アブドメンガード(⼥子)
e)チェストガード・胸部のパッド(⼥子)
女子競技者は、胸部プロテクターを着用しなければならない。プロテクターはコミッショナーの承認を受けたものを用いる。

第 6 章/指定外の物品および塗布物

1. 指定外の物品及び塗布物

第5 章で指定された競技用具以外の着用、または規格外の競技用具の使用は認められない。
a)競技者は、ファールカップ以外に、硬質のものを使用してはならない。いかなる宝飾類、ピアス等も身につけてはならない。
b)男子競技者の上半身は裸とする。競技中に道着やシャツの着用は認められない。
c)競技者は、審判員によって顔面部に塗布されるワセリン以外に、いかなる部位にもワセリン、油脂類、整髪料、滑り止め等一切の薬品、塗布物等を使用してはならない。ただし、女子競技者の化粧は、対戦する競技者に不快感を与えず、競技にも支障を来さない程度において認められる。
d)競技者は試合前とラウンド間のインターバルに審判員から顔(眉部、鼻から頬上部にかけて) に適量のワセリンを塗布されることができる。

2. 指定外の物品や塗布物の使用に対する処置

a)競技者は、試合前に審判員によるチェックを受けていない競技用具、審判員のサインが書かれていないバンデージおよびテーピング、ワセリン等の禁止されている薬品や塗布物等を使用してはならない(第13章(32)(33)。
b) 審判員、指定外の物品や塗布物の使用を発見した場合、あるいはそれらの使用が疑われる場合には、それらを除去する処置を取らなければならない。

3. 破損等の場合の処置

審判員は、競技者の競技用具や服装に関して次のように処置する。
a)競技者の競技用具や服装が常態でなくなった場合、審判員がなるべく手早く処理するために一時試合を中断する場合がある。
b)競技用具が故意、偶然にかかわらず試合に支障を来すような破損をした場合、審判員は試合を止め、速やかに最善の処置を取る。ただし、競技者自身の責任により試合用コスチューム、マウスピース、ファールカップが破損し、試合続行が具可能になった場合は失格とする場合もある。
【注記】本条2 の場合に備えて、試合用コスチューム、マウスピース、ファウルカップは予備を用意することが望ましい。

第 7 章/容姿外観

a)競技者は、清潔で身ぎれいな外観を示していなければならない。
b)競技者は、審判員の監督の下で顔面に塗布されるワセリン以外、いかなる部位にもワセリン・油脂類整髪料・滑り止め等、⼀切の薬品・塗布物等を使用してはならない。
試合前とラウンド間のインターバルに審判員の監督の下、顔に適量のワセリンを塗布されてから試合に臨まなければならない。
c)コミッションは、髪や髭が競技者やその相手の安全性に危険を及ぼすかどうか、あるいは競技の監督や競技上の行動を妨害するか否かを決定しなければならない。
競技者の髪や髭に危険性があったり、競技上の監督や行動を妨害する場合は、そのような状況が修正され、コミッションが認めない限り、競技者は競技に参加することはできない。
d)競技者は、いかなる宝飾類、ピアスのアクセサリーも着用してはならない。

第 8 章/試合前検査

a)血液検査の提出義務
試合が決定した競技者は適切な医療機関にて、HIV、B型・C型肝炎の血液検査を実施し、診断書のコピーを提出する。他興⾏にて使用した診断書コピーでも半年以内であるものは有効とする。
b)ドクターによる問診お及び触診
試合前のドクターチェックを必ず受けること。この際、試合出場が不可能と診断された場合、ドクターの権限により出場を中止させることが出来る。
c)オフィシャル審判団による各種チェック
試合前、審判団による手足の爪のチェック・バンテージチェック・テーピングチェックを必ず受けなければならない。
検査後、テーピングを巻き直したり、貼り直したりしてはならない。

第 9 章/試合進⾏

a)ゴング・エアーホン等により試合の開始、終了が告げられる。
b)反則⾏為があった場合、以下の処分を与える場合がある。
c)反則を犯した⾏為によって得た有利な状態の解消。
d)有利な状態で反則⾏為をおかした場合でのスタンド状態からの再開。
e)反則⾏為によってダメージを負った選手には、ドクターの判断により回復の時間が与えられることがある。
f)反則⾏為によって受けたダメージで続⾏不能と医師に判断された場合、反則を犯した選手の反則負けとする。
g)有効な攻撃によって負傷・裂傷を負い、試合続⾏不能と医師が判断した場合、怪我をした選手のドクターストップ負けとなる。また、医師の続⾏許可が出た場合でも、選手本⼈が速やかに試合を再開できない場合、棄権負けは適応される。
h)バッティング等による偶発の負傷で試合続⾏不能となった場合、1R を消化していれば事故が起こるまでの間で採点したテクニカル判定を適用する。1R 中に起こった場合はノーコンテストとする。
I)選手の試合着が著しく乱れた場合等、レフリーは試合をストップし、選手にこれを正すように命じる事ができる。
J)試合タイムは攻防状態にある時にランニングされ、ドクターチェック、グローブ・試合着などを正す際はストップされる。

第 10 章/グラウンドポジション

足の裏以外の身体のあらゆる部位(ただし指を除く)が床に触れている状態(グラウンド状態であるためには、片手の掌、または拳が床に着いている、あるいは指を除く他の身体部位が床に触れていなければならない)。

第 11 章/勝敗

1. ノックアウト(KO)

選手が対戦相手の攻撃により戦闘不能、または意識を失っているとメインレフェリーが判断した場合、ノックアウトとして勝敗を決定する。

2. タップアウト

選手自らが次の各号に掲げる試合続⾏不可能の意思表⽰をしたとメインレフェリーが判断した場合は、タップアウトとして勝敗を決定する。
(1)声で試合続⾏不可能の意思表⽰を⽰した場合。
(2)手もしくは足で相手選手かマットを2 回以上叩き、試合続⾏不可能の意思表⽰をした場合。
(3)審判員に試合続⾏不可能の意思表⽰と判断される⾏動をとった場合。

3. テクニカルノックアウト(TKO)

レフェリーが次の各号に掲げる状況により試合続行不可能と判断した場合はテクニカル・ノックアウトとして勝敗を決定する。
a)レフェリーストップ
① 選手が意識的〔知的〕に自分自身を守っていない(ディフェンスしていない)状況にあるとメインレフェリーが判断した場合等
② 当該試合を担当するサブレフェリーが本章第3項①前段により試合続行不可能と判断した場合で、メインレフェリーに試合中止を要請した場合。なお、サブレフェリーによる試合中止要請の意思表示方法は、ホイッスルを鳴らすことによって行う。
③ ドクターストップ
オフィシャルドクターの専門的見地からの診断結果を鑑み、メインレフェリーが試合終了を宣告した場合。
④ メディカルストップ
(1)選手がラウンド中に目に見えて身体機能のコントロールを失った場合(嘔吐、失禁、脱糞)。
(2)ラウンド間の休憩時間中に身体機能の喪失が発生した場合、選手が継続できるかどうかオフィシャルドクターによる診断を実施し、選手が試合を継続できることがオフィシャルドクターによって明確にされない場合。
⑤ コーナーストップ
(1)セコンドがタオルを試合場内に投げ入れ試合放棄の意思を示した場合。
(2)セコンドがサブレフェリー、ジャッジに試合放棄の意思を示した場合。なお、試合放棄の意思を受けたサブレフェリー、ジャッジはホイッスルを鳴らすことによって試合中止要請を行う。
⑥ 引き分け(ドロー)
(1)両方の選手がほぼ同時にサブミッションもしくはノックアウトにて決着したとメインレフェリーが判断した場合は引き分けとする
(2)「第13章/ 反則」4項および同7項に定める場合(テクニカル・ドロー)。
⑦ 試合結果の保留
(1)試合の裁定をその場で決するのに適さない事態が発生した場合、審判員は試合結果を保留し、GLADIATOR実行委員会の審議に預けることができる。
(2)試合時において、裁定を決するための前提となる事実が明らかにならない場合、審判員は、仮に裁定を下すことができる。仮に下された裁定については、後刻事実を確認したうえで、2週間以内に正式な裁定を下さなければならない。

第 12 章/ジャッジング(試合の判定)

1. 判定(デシジョン)

試合時間内に勝敗が決定しないまま試合を終了した時は判定を⾏う。判定方法は3 名のジャッジにより採点を⾏い、2名以上が優勢と判断した選手を勝者とする。判定の基準は以下(判定基準)の優先順位で、ラウンド毎に評価する。

2. 判定基準

判定の基準は次の各号に掲げるとおりとし、ジャッジは①プランA、②プランBおよび③プランCなどのMMAの技術を評価し、各号の順にて段階的に評価の上(プランAが同等であると評価されない限り、プランBとCは考慮されない)、次条に定める採点方法により勝敗を決するものとする。
a)効果的な打撃・グラップリング(プランA)
効果的な打撃は、正当な打撃の結果のみに基づいて、選手が当てた正当な打撃のインパクト(試合への影響・影響力)を判断することによって評価される。効果的なグラップリングは、テイクダウン、サブミッションの試み、有利なポジションの獲得、リバーサルなどからもたらされるインパクト(試合への影響・影響力)を判断することによって評価される。
いずれの場合も、インパクト(試合への影響力)とは、ノックアウト(KO)やサブミッション(S)など試合終了につながる可能性のあるダメージやアドバンテージがあったかどうかを意味する。
b)効果的な積極性(プランB)
効果的な積極性は、試合終了(ノックアウト、サブミッションなど)に向けての積極的な攻撃・行為が評価される。
c)ファイティングエリアコントロール(プランC)
どちらの選手が試合のペース、場所、そしてポジションを支配しているのかを判断することによって評価される。

3. 判定の採点方法

判定の採点方法は次の各号に掲げるとおりとし、各ジャッジは各ラウンドの優劣を10点法(10ポイントマストシステム)にて採点し、合計点により勝者を決定する。
a)試合は、試合場周囲の異なる場所から3 人のジャッジによって評価され、スコア化される。
レフェリーは3 人のジャッジの1 人にはなれない。
b)10ポイント・マスト・システムが採点の標準システムである。10ポイント・マスト・システムの下では、そのラウンドの勝者に10点が与えられ、敗者には9 点あるいはそれ以下の点数が与えられる(まれに10-10となるイーブンのラウンドを除く)。
c)ジャッジは、効果的な打撃、効果的なグラップリング、試合エリアのコントロール、効果的な積極性、およびディフェンスなどのMMAの技術を評価する。
d)評価は、上記のd)に表示される順(効果的な打撃、効果的なグラップリング、試合エリアのコントロール、効果的な積極性、ディフェンス)に、重みを与えてなされる。
e)効果的な打撃は、正当な打撃の総数によって判断される。
f)効果的なグラップリングは、正当なテイクダウンおよびリバーサルの成功の総計を考慮して判断される。考慮すべき要素は、例えば、スタンディングポジションからマウントポジションへ到るテイクダウン、マウントポジションへのパスガード、ボトムポジションの競技者が積極的に攻撃的なガードを駆使する場合などである。
g)試合エリアのコントロールは、誰が〔どちらが〕試合のペース、場所、ポジションを支配していたかを決することによって判断される。
考慮すべき要素の例としては、テイクダウン時に、スタンドを維持した競技者がグラップラーの技の試みに反撃したり、寝技に移行するために打撃やテイクダウンをすること、サブミッションを仕掛けること、マウントをとるためのパスガード、あるいは打撃の機会を作り出すことなどである。
h)効果的な積極性は、前に出て、正当な打撃を当てることを意味する。
i)効果的なディフェンスは、攻撃に対してカウンターで応じつつ、打撃、テイクダウン、リバーサルを防ぐことを意味する。
j)次の客観的な採点基準がラウンドの採点時にジャッジによって用いられなければならない。
k)10-10:両方の競技者が互角に戦っているように見え、どちらの競技者もラウンド中に明らかな優位性を示していないとき。
l)10-9:一方の競技者が、効果的な打撃・グラップリングあるいは他の技術をより多く発揮して、僅差で勝利したとき。
m)10-8:一方の競技者が、打撃やグラップリングによって圧倒的に試合を支配したとき。
n)10-7:一方の競技者が、打撃やグラップリングによって完全に試合を支配したとき。
o)ジャッジはスライディングスケールを使用し、競技者がスタンディングかグラウンドかの時間の長さを、次のように認識しなければならない。
p)競技者がラウンドの大半の時間をキャンバス上で費やした場合
a.効果的なグラップリングが最初に重視され
b.効果的な打撃は次に評価される
q)競技者がラウンドの大半の時間をスタンドで費やした場合
a.効果的な打撃が最初に重視され
b.効果的なグラップリングは次に評価される。
r)スタンドとキャンバス上の闘いが比較的同等の長さでラウンドが終わった場合は、打撃とグラップリングは同程度に重視される。
s)2ラウンド制の試合においては3に規定する採点方法により、全ラウンド終了時点で合計点が同一の場合は、どちらの選手が総体的に優勢であったかについて、第10章に定める判定基準をもとに、全ラウンドを通して総合的に判断した上で判定を行い、各ジャッジが必ずどちらか一方の選手を勝者とするマスト評価にて勝敗を決定する。

第 13 章/反則

1. 反則項目

次の行為は反則(ファウル)であり、それらを犯した場合、レフェリーの裁量により、ペナルティが課される。
1)頭突き
2)眼潰し
3)噛みつき
4)相手に唾を吐く
5)髪を引っ張る
6)フィッシュフッキング
7)股間へのあらゆる攻撃
8)相手のからだの開口部や傷口、裂傷部に指を入れる
9)小さな関節(手足の指)への操作的な攻撃
10)肘の先端を下に打ち落とす打撃
11)脊椎や後頭部への打撃
12)喉へのあらゆる打撃(気管をつかむ行為を含む)
13)皮膚をつかむ、つまむ、ひねる
14)鎖骨をつかむ
15)グラウンド状態の相手の頭部への蹴り
16)グラウンド状態の相手の頭部への膝打撃
17)グラウンド状態の相手への踏みつけ
18)フェンスをつかむ
19)相手のショーツやグローブをつかむ
20)試合場内で口汚い言葉を吐く
21)相手の負傷の原因となるようなあらゆる非スポーツマン的行為
22)ブレイク中の相手への攻撃
23)レフェリーのチェックを受けている最中の相手への攻撃
24)ラウンド終了の合図が鳴らされた後での相手への攻撃
25)相手との接触を避けるあらゆる消極的姿勢(意図的または継続してマウスピースを落としたり、怪我のふりをすることなど)
26)試合場外に相手を投げる
27)審判の指示を著しく無視する
28)相手の頭や首をキャンバスに突き刺す(いわゆるスパイキング)
29)セコンドの介入
30)アドバンテージを得るための、髪や身体への異物の塗布
31)審判員から塗布されるワセリン以外の塗布物を塗布する行為 32)試合前に審判員によるチェックを受けていないテーピングや競技用具の着用

2. 反則ならびに負傷に対する処置

レフェリーは、反則に対して次のように処置する。
a)レフェリーは、競技者が犯した反則行為に対し、行為の重大性等を勘案して、自らの裁量により、
①口頭による注意②注意③警告④失格(反則負け)
の処置をとることができる。その場合、反則を犯した競技者とその処置を適切な合図や身振りで明瞭に示さなければならない。
b)失格(Disqualification)は、ファウルを複数犯した場合、または目に余るファウルの後、レフェリーの裁量により宣告される。
c)反則により、それを犯した競技者の点数から、スコアキーパーにより減点され得る。スコアキーパー(ジャッジではない)は、減点を加味した後、公式のスコアを計算する責任を負う。
d)レフェリーのみが反則を評価できる。レフェリーが反則をコールしていない場合には、ジャッジは自分でその評価をしてはならないし、得点の計算に加味してはならない。
e)ファウルが犯された場合は、
1)レフェリーはタイムアウトをコールする。
2)レフェリーは反則を犯した競技者にニュートラルエリアにいるよう指示する。
3)レフェリーは反則を受けた競技者のコンディションと安全をチェックする。
4)レフェリーは反則を犯した競技者の反則の重さを評価し、適切と思われる減点を課す。その反則が、偶然か故意か、あるいは減点すべきか否かについての彼の決定を、コミッション、セコンド、スコアキーパーに告知する。
f)下〔劣勢〕のポジションにある競技者が反則を犯し、上〔優勢〕の競技者が負傷していなければ、試合を継続する。
1)レフェリーは、下の競技者に口頭で反則を告知する。
2)ラウンド終了時に、レフェリーは反則の重さを評価し、コミッション、セコンド、ジャッジ、スコアキーパーに告知する。
3)レフェリーは、反則が重大であった場合に試合を終了させることができる。そのような目に余る反則を犯した競技者は失格によって敗者となる。
g)ローブローの反則
1)ローブローを打たれた競技者には、リングドクターが試合を続行できると判断する限りで、最長5 分まで回復の時間が許容される。
2)5分以前に競技者が続行できる状態であったなら、レフェリーはできるだけ早く、試合を再開しなければならない。
3)競技者が5分の割り当て時間を過ぎても、試合を再開できない場合は、試合が停止されたラウンドと時間までで決せられた結果によって終了する。第14章を参照のこと。
h)ローブロー以外のファール
1)偶発的な反則により試合が停止した場合、レフェリーは、反則を受けた競技者が試合を継続できるかどうかを決定しなければならない。
競技者の勝利へのチャンスが、反則の結果、重度には侵害されておらず、その反則が被反則者の頭部に脳震盪に類する衝撃がない場合は、レフェリーは、5 分以内の回復のためのインターバルのあと、試合の続行を命じることができる。
レフェリーは、両競技者を分けた後、その反則が偶発的であったことの判断をコミッションの代表者に通知しなければならない。
2)一方の競技者が、レフェリーが反則(illegal)と見なした反則攻撃を受けた場合、レフェリーは試合を止め、タイムを要求する。
レフェリーは、リングドクターのもとに負傷した競技者を渡し、リングドクターは、試合を継続するのに適格
自身の裁量で5分までの時間を使うことはできず、レフェリーに指示されたときは試合を続けなければならない。
3)ローブロー以外の反則により負傷した競技者がレフェリーによって試合続行に不適と判断された場合には、レフェリーはすぐに試合の中断をコールしなければならない。
5分の時間がまだ残っているにもかかわらず、レフェリーによって、続行に不適と判断された場合には、競技者は残り時間があることをもって抵抗することはできず、試合はストップされなければならない。
4)レフェリーが試合を停止し、リングドクターの検査を求める場合、医師の診察は5分を超えてはならない。
5分を超えた場合は、試合を再開するはできず、試合は終了しなければならない。

第 14 章/反則のペナルティー

a)反則を犯した選手に対して、その反則⾏為⼀回あたり、主催者はファイトマネーを30 パーセント減額する。
b)反則を犯した場合、反則を犯すごとに当該選手の判定の優劣に大きく影響を与える。
c)カード提⽰による反則が3 度目に達した時点で失格負けとなる。
d)悪質な反則に対して、レフェリーは即座に選手に失格を宣告する権限を持ち、失格した選手はファイトマネーの100パーセントを減額される。

第 15 章/正当な攻撃あるいは反則により蒙った負傷

a)試合中に正当な技術の結果として負傷した場合で、試合終了に相当する負傷であったなら、負傷した競技者はTKO負けとなる。
b)試合中に負傷し、それが意図的な反則の結果によるものとレフェリーが判断した場合で、試合終了に相当する負傷と判断されたなら、負傷させた競技者は失格負けとなる。
c)試合中に負傷し、それが意図的な反則の結果によるものとレフェリーが判断した場合で、試合続行が認められた場合には、反則を犯した競技者から自動的に2 点の減点をスコアキーパーに通知しなければならない。
d)試合中に負傷し、それが意図的な反則の結果によるものとレフェリーが判断し、試合続行が認められた場合で、その反則により負傷した競技者が再開後の時点で続行不可能となり、その時点でスコアをリードしていた場合は、負傷した競技者のテクニカル・デシジョンによる勝利となる。
試合停止時点でスコアが同点あるいは負傷した競技者がビハインドの場合は、テクニカル・ドローとなる。
e)相手に反則を犯そうとしていた競技者が自ら負傷した場合、レフェリーはその競技者に有利になるような行動をしてはならず、その負傷は正当な攻撃によるものと同じに扱わなければならない。
f)試合中の偶発的な反則の結果の負傷とレフェリーが判断し、レフェリーが即座に試合のストップが相当と判断した場合で、そのストップが2ラウンドの試合であれば1ラウンドが完了していない場合、また3ラウンドの試合であれば2ラウンドが完了していない場合、ノーコンテストとなる。
g)試合中の偶発的な反則の結果の負傷とレフェリーが判断し、レフェリーが即座に試合のストップが相当と判断した場合で、そのストップが2ラウンドの試合であれば1ラウンド後の場合、また3ラウンドの試合であれば2ラウンド後場合、その時点でのスコアでリードしている競技者をテクニカルディシジョンによる判定勝ちとする。
h)完了していないラウンドも他のラウンドの判定と同じ基準を用いて、そのラウンドが終了した時点までを判定しなければならない。

第 16 章/試合結果の類型

1. サブミッション: a)フィジカル(身体の合図による)・タップアウト
b)バーバル(口頭による)・タップアウト
2. ノックアウト:
a)レフェリーが試合を止めたとき(TKO)
b)正当な攻撃による負傷が試合終了すべきほど重度なとき(TKO)
c)打撃により競技者が意識を失わされたとき(KO)
3. スコアカードによる判定: a)ユナニマス・デシジョン:3 人全員のジャッジが同じ競技者を支持したとき
b)スピリット・デシジョン:2 人のジャッジが一方の競技者を支持し、1 人のジャッジが相手を支持したとき
c)マジョリティ・デシジョン:2 人のジャッジが一方の競技者を支持し、1 人のジャッジがドローとしたとき
4. ドロー: a)ユナニマス・ドロー:3 人全員のジャッジがドローと判定したとき
b)マジョリティ・ドロー:2 人のジャッジがドローと判定したとき
c)スピリット・ドロー:3 人全員のジャッジの判定が異なったとき
5. 失格
6. 没収試合(forfeit)
7. テクニカル・ドロー
8. テクニカル・デシジョン
9. ノーコンテスト

第 17 章/セコンド

  1. セコンドは各選手1名以上2 名以内とする。
  2. 1チームから2名以上の選手がエントリーしている場合、セコンドパスに制限があり、選手1名追加に付きセコンド1名までを追加申請出来るものとする。
  3. セコンドインターバル中、1名のみが試合場内に入ることができる。
  4. 試合中、セコンドは自軍のコーナーを離れてはならず、常時、⽴ち上がっての指⽰は禁止する。
  5. セコンドは相手選手および審判員への罵倒、侮辱、暴⼒⾏為を⾏なってはならない。
  6. セコンドによる各コーナーの反則は1回目で注意、2回目で退場となる。
  7. セコンドは、試合中、競技者に⾔葉による助⾔を与えることができるが、競技者に直接接触する、フェンスを叩く、掴む、触るなどの動作をしてはならない。
  8. セコンドは、インターバル中、競技者に⽔のみ与えることができる。ただし、リングを過度に濡らすなど試合進⾏を妨げてはならない。
  9. セコンドは、試合場内にいかなる物(タオル以外)も投げ入れてはならない。
  10. セコンドが競技者の負傷等を察知し、レフェリーに試合の終了を求める場合は、サブレフェリーまたはジャッジを通じて申告しなければならない(サブレフェリー・ジャッジがホイッスルを吹いてレフェリーに試合の終了を求める)。
  11. セコンドは試合中リングやリングエプロン等、試合場にいかなる物も置いてはならない。
  12. セコンドはインターバル中、競技者の競技用具の細工や⾝体へのオイル塗布などの⾏為を⾏うと退場となり、競技者が失格(反則負け)となる。
  13. セコンドは試合開始前審判員へ選手が預けられたあと選手は触れることはできない。

第 18 章/タイトルマッチ

第1項 タイトルマッチ実行委員会

(1)実行委員会は王者の認定、挑戦者の選定を行ない、タイトルマッチの運営を管理する。
(2)実行委員会はGLADIATOR公式試合に参加する競技者に対し、序列に関わる事項の最終決定権を有する。
(3)委員長をGLADIATOR役員、及びプロモーター内から適任者を選定し、タイトルマッチの認定・宣言を行なう。

第2項 タイトル資格

(1)GLADIATIORタイトルマッチは、当団体において最も権威の高い試合に位置付けされる。
従って王者は、全競技者の最高峰に立つ実力と人格とを持ち合わせてなければならない。
(2)挑戦者は、王者に匹敵する高い実力を保持し、試合内容、人格、ともに品格ありと認められた者が挑戦資格を有する。

第3項 タイトルマッチ運営

(1)タイトルマッチは5分3ラウンドで行ない、ラウンドマストシステムに
て行う。
判定結果が引き分け(ドロー)の場合は王者のタイトル防衛となる。 (2)公式計量から2時間以内に王者が規定体重に達し得なかった場合、挑戦者が勝てば新王者となるが、王者が勝利、または引分けた場合はタイトルは空位となる。
(3)公式計量から2時間以内に挑戦者が規定体重に達し得なかった場合、王者はタイトルを賭けるか否かを選択できる。王者の勝利、または引き分けた場合はタイトル防衛となる。体重超過の挑戦者が勝った場合はタイトルは空位となる。
(4)王者は1年以内にタイトル防衛戦を行なわなければならない。怪我等、タイトル保持者の都合で1年以上防衛戦が行なえなかった場合、王者はタイトルを返上し、空位となる。
但し、プロモーターの都合で1年以内の防衛戦が行なえなかった場合はこの限りではない。
(5)王者はワンマッチであっても圧倒的敗戦を喫し著しく王者としての実力を疑われる試合を行ってしまった場合は自らそのタイトルを返上しなければならない。その判断基準はプロモーターによる判断とする。
また他団体での試合において2試合敗戦した場合は団体王者として相応しくないと判断されタイトルを返上することとする。

第 19 章/提訴

  1. 選手、または所属団体の責任者は、審判員の宣告、及び裁定に対して、⼤会中に異議申し⽴てを⾏うことはできない。
  2. 次に掲げる事由についてGLADIATOR実行委員会に提訴することができる。
    a)ルールの適用の誤り
    b)試合結果に影響を及ぼす重大な事実誤認
  3. 提訴は、すべて文書をもって試合後 2週間以内に行うこととし、口頭によるものは無効とする。
    その提訴に対してGLADIATOR実行委員会は、2週間以内に文書によって裁定の結果を通知する。
  4. 試合における裁定等に対する異議の申し立ては、当該レフェリーやジャッジおよび試合役員ではなく、GLADIATOR事務局宛としなければならない。
  5. ジャッジの判定に対する異議の申立ては受理しない(ジャッジの判定は終局的であり、GLADIATOR事務局が判定を変更することはない)。ただし、将来における判定の改善を提案する意見書の提出は認める。

第 20 章/罰金

試合当日、契約された試合において特段の理由なく試合を行わなかった場合は罰金200万円とする。

GLADIATOR KICKルール(キャッチ無し)

試合場

主催者の用意するリング、CAGE、マットなどで行う。

用具

主催者が用意した規定のグローブを着用する。グローブは、

  • 70kg以下 8 OZ
  • 70kg以上 10 OZ

とする。
その他、選手自身が用意するファールカップおよびマウスピースを着用しなければならない。
ファールカップは金属製のカップを紐で結ぶものが望ましい。その他のファールカップなどの着用によりアクシデントが発生した場合は、アクシデントによる不利益に対する優遇措置を享受できない場合や、アクシデントによりファールカップの破損や再装着などで競技の運営に支障をきたした場合、ペナルティを科す場合がある。

試合時間

試合時間は下記の通りに定める。

  • 2分2ラウンド
  • 2分3ラウンド
  • 3分3ラウンド
  • 3分2ラウンド+延長1ラウンド

いずれの試合も各ラウンド間のインターバルは60秒とする。

有効技

パンチ:ストレート、フック、アッパー、バックスピンブロー
キック:前蹴り、ローキック、ミドルキック、ハイキック、サイドキック、バックキック、内股への蹴り、飛び蹴り、ヒザ蹴り
但し、パンチに関して前腕部、上腕部、グローブ手首部分のみがヒットしたと判断される場合、またバックブローに関して肘、前腕部、上腕部、およびグローブの手首部分のみがヒットしたと判断される場合には反則となる。

反則

試合においては以下の技を反則とし、反則には「注意」、「警告」、「減点」が与えられる。
レフェリーは、「注意」、「警告」に対しては口頭で指示、「減点1」「減点2」に対してはイエローカードを提示し、「失格」に対してはレッドカードを提示する。
「注意」2回で「警告」1となる。以後は即「警告」1が与えられる。
「警告」2回で「減点」1とし、1ラウンド中に「減点」が3になると「失格」となる。
但し、反則に関してレフェリーが不可抗力であると判断した場合にはこの限りではない。また、反則行為が悪質なもの、あるいは相手選手に多大なダメージを与えたとレフェリーが判断した場合には、反則の宣告順位を超えていきなり減点が与えられる場合がある。

<反則の種類>
  1. 頭突きによる攻撃。
  2. ヒジによる攻撃。
  3. グローブ装着部分でない前腕部、上腕部による攻撃
  4. 金的への攻撃。
  5. レスリングや柔道などの投げ技、関節技を使うこと。
  6. サミング。
  7. 喉へのチョーク攻撃。
  8. 相手に噛み付く行為。
  9. 倒れた相手、起き上がろうとしている相手に攻撃すること。
  10. レフェリーがブレイクを命じたにも関わらず相手を攻撃すること。
  11. 相手の蹴り足を掴む行為。
  12. 攻撃であれ防御であれ、ロープを掴むこと。
  13. レフェリーに対する、侮辱的あるいは攻撃的言動。
  14. パンチによる後頭部への攻撃(後頭部とは、頭の真後ろの部分を指し、側面、耳の周りは後頭部とみなさない)。
  15. 故意に相手選手をリング外に落とそうとしたとき。
  16. 自分からリング外に出たとき。
  17. 明らかに背後を向いた選手への攻撃。また、背後を見せた選手も戦意喪失とし、注意、警告、減点の対象となる。
  18. パンチにより、前腕部、上腕部、グローブ手首部分のみが当たった場合。
  19. バックブローにより、肘、前腕部、上腕部、グローブ手首部分のみが当たった場合。
  20. 審判員に対する虚偽のアピール、言動
※バッティング

再三、頭を低くして相手の懐に飛び込む行為は、バッティングを誘発するものとして注意を与える。バッティングにより選手のどちらかがカットして出血した場合、レフェリーが偶発的なものであると判断した場合には減点は発生しないが、再三頭が低くバッティングの可能性があるものと注意を受けた選手がカットさせた場合には減点1が与えられる可能性がある。但し、レフェリーが明らかに故意、もしくは悪意があると判断した場合には減点2が与えられる。
攻撃を伴わないホールディングや技の掛け逃げが度重なり、消極的であると判断された場合、レフェリーは注意、警告、減点をとる。これに関しては、注意2で警告1、次の注意で減点1となる。なお、技の掛け逃げとは、攻撃の後すぐに相手に組み付き、または攻撃の直後に自ら倒れ込んで攻防を意図的に中断してしまう行為をいう。

※ネガティブファイト

選手がカウンター狙いなどで攻撃の手数が少なく消極的であると判断された場合も、注意や警告、減点の対象となり得る。

※キャッチ

両手で相手を掴んで攻撃することは全て反則とする。但し、片手で掴んでの瞬間的な攻撃は有効であるが、有効な打撃を加える為の手段とレフェリーが判断しない場合、またこのような状態が度重なる場合、結果として試合の膠着を誘発しているだけであると判断された場合には、注意警告の対象となる。
掴みや組み付きなど、膠着状態を誘発する行為は一切これを禁止する。また相手の攻撃を逃れるために自分から掴み、組み付きに行く行為には、例えそれが片手であったとしても、注意や警告が与えられる。

試合決着

ノックアウト (KO)
  1. ダウンカウント開始から9秒以内に立ち上がり、ファイティングポーズを取ることができなかった場合。もしくは、ダメージが大きく9秒以内に立ち上がれないとレフェリーが判断した場合。
  2. 9秒以内に立ち上がっても闘う意志がない、あるいは闘うことができないとレフェリーが判断した場合。
  3. 1ラウンド中に3回のダウン(2ラウンドの試合は2回)があった場合。
テクニカルノックアウト(TKO)
  1. 負傷の原因が双方の偶発性により、試合続行不可能とレフェリーが判断した場合。
  2. 試合進行中、セコンドがタオルを投入した場合。なお、レフェリーがこれに気づかない場合は、他の審判員が試合終了の合図をさせることができる。
  3. レフェリーストップ
    選手の一方が著しく優勢で劣勢な選手が危険な状態とレフェリーが判断した場合。
  4. ドクターストップ
    リングドクターが選手の負傷あるいは大きなダメージにより試合続行不可能と判断した場合。特に選手がダウンして大きなダメージがある場合、リングドクターは審判団に進言し、協議のうえ試合終了の合図をさせることができる。

判定

ノックアウト、テクニカルノックアウト、または失格などによる勝敗で決定しない場合、ジャッジ3名による判定を取り、最終ラウンド終了後に各ジャッジの採点(ポイント)を集計し、ポイントが多い選手を勝ちとする。但し、これは2名以上のジャッジの同意によって勝者が決定するものとする。なお、2名以上の同意が得られない場合は引き分けとなる。

引き分け

  1. 両者が同時にダウンし、カウント9以内に双方が立ち上がらなかったとき。
  2. 選手が偶発性の負傷により試合を続行できない場合は、試合成立のためのラウンド数が終了していれば、終了しているラウンドまでの採点を行い、ジャッジ2名以上の同意がない場合引き分けとなる。
  3. 3ラウンドで引分け裁定の認められた試合に限り、ジャッジ2名以上の同意がない場合引き分けとなる。
ノーコンテスト(無効試合)
  1. 選手が偶発性の負傷により試合続行が不可能と判断され、試合成立のためのラウンド数を終了していない場合。
  2. 選手双方がルール違反を犯したり、八百長、または馴れ合い試合を行ったと認められた場合。
  3. レフェリーが再三、注意、警告しても誠意あるファイトを行わず(無気力試合)、レフェリーが双方に失格を宣言した場合。

試合成立

1ラウンドが終了した時点で公式な試合が成立したものとする。

ダウン

ダウンとは、攻撃によるダメージにより、選手が足の裏以外の部分をマットに着けた場合をいう。但し、ジャッジが攻撃によるダメージが少ないと判断し、ダウンをした選手が速やかに立ち上がって再開の意思表示をした場合はフラッシュダウンとし、ダメージのあるダウンとはとらない。なお、フラッシュダウンの判断は各ジャッジに委ねるものとする。
ダメージが無くても、選手が倒れて速やかに立ち上がれない場合もダウンとなる場合がある。
選手に明らかにダメージがあり、続けて攻撃を受けた場合にレフェリーが危険と判断した時には、選手が倒れていなくてもダウン(スタンディングダウン)を宣告する場合がある。
ダウンカウントは、レフェリーの「ダウン」のコールとジェスチャーに従って進められる。レフェリーの「ダウン」コール後、1からダウンカウントを開始する。タイムキーパーのストップウォッチにより正確に計られた秒間に従い、場内アナウンサーはレフェリーのカウント開始に合わせてカウントしていく。
ダウンを奪った選手は、速やかにニュートラルコーナーへ移動しなければならない。また、レフェリーがダウンカウントを取っている間、指示があるまでニュートラルコーナーで待機しなければならない。
ダウンを奪った選手がこの指示に従わない場合、レフェリーはダウンカウントを中断し、ニュートラルコーナーに移動したことを確認した後にダウンカウントを再開する。
レフェリーがダウンカウント中にそのラウンドが終了時間に至った場合、レフェリーのカウントが継続していればタイムキーパーは終了の合図はしない(ゴングは鳴らさない)。よって、レフェリーのダウンカウントがストップした時点でそのラウンドは終了となり、10カウントが入ればKO(ノックアウト)、試合続行が不可能であるとレフェリーが判断した場合はTKO(レフェリーストップ)となる。

採点基準

試合の得点は次の項目に該当するものを基準として評価、採点される。
パンチ、キックなどの有効技により、的確且つ有効な攻撃が認められ、相手に相応のダメージを与えたかどうかを判定する。
採点の優先順位は、

  1. ダウン数
  2. 相手に与えたダメージの有無
  3. クリーンヒットの数
  4. アグレッシブ度(攻撃点)

とする。

お互いに10点を起点とし、劣勢もしくはペナルティを受けた選手から減点していく採点方法を取る。なお、採点の基準は以下の通りである。

  1. 優劣の差がある場合は劣勢の選手から減点1ポイント。表記は10-9となる。
  2. 1回のダウンがある場合、ダウンを奪われた選手から減点2ポイント。但し、ジャッジがダメージの少ないフラッシュダウンであると判断した場合には減点1ポイントになる場合もある。表記は10-8、または10-9となる。
  3. 同ラウンド内に2回目のダウンがある場合、ダウンを奪われた選手から減点3ポイント。表記は10-7となる。
  4. 反則等によりレフェリーより減点1の指示があった場合、減点1ポイント。表記は10-9となる。
  5. 反則等によりレフェリーより減点2の指示があった場合、減点2ポイント。表記は10-8となる。
  6. ダウンを奪われた選手が、そのラウンド内に劣勢を挽回した場合には、挽回された方が1ポイントを失い、ダウンによって減点されたポイント差が縮まる場合もある。この場合、10-9ではなく9-8の表記となる。
  7. ダウンを奪われた選手が、同ラウンド内にダウンを奪い返した場合には双方マイナス2ポイントとなる。この場合、表記は10-10でなく、8-8となる。
  8. 双方に減点1がある場合には10-10ではなく9-9の表記となる。

失格

次の場合、選手は失格となり100%のファイトマネー没収が科せられ、また3ヶ月間から1年間の出場停止処分とする。

  1. 故意に反則を犯し、レフェリーが失格を宣言したとき。
  2. 試合中、審判員の指示に従わないとき。
  3. 試合出場時刻に遅れたとき、あるいは出場しないとき。
  4. 粗暴な振る舞い、悪質な試合態度とみなされたとき。
  5. レフェリーが選手に戦意がないと判断したとき。
  6. 1ラウンド中に反則による減点が3になったとき。
  7. 試合ラウンド中にセコンドがリング内に入ったり、リング上の相手選手もしくは所属選手に触れたとき。また、コーナーマン同士が乱闘した場合も、状況によりその選手が失格となる場合もある。
  8. その他、試合規定に違反すると認められたとき。

ペナルティ

試合中に選手が反則を犯した場合、以下の基準でペナルティが科せられる。

  1. 失格(減点3)となった選手は、ファイトマネーの100%を没収される。
  2. 減点2となった選手は、ファイトマネーの50%を没収される。
  3. 減点1となった選手は、ファイトマネーの30%を没収される。

但し、偶然のバッティング等による減点はこの限りではない。

着衣

対戦相手を負傷させる恐れのあるものや、自身のダメージを軽減する恐れがあると審判員が判断したものの着用を禁止する。サポーター類や試合コスチュームなどの装着に関しても、必ず審判員あるいは競技役員のチェックおよびサインを必要とする。また、審判員あるいは競技役員が危険であると判断したものに関しては、その装着を認めない。

塗布物

選手は、顔に最小限のワセリンを塗ることを認められるが、それ以外の何物も着けてはならない。また、身体にはいかなるものも塗ってはならない。ここでいう“最小限”とは、審判員が許可する範囲の量と解釈する。また、以下も厳守すること。

  1. 顔に多量のワセリンを塗ったままでの試合は認めない。その場合は、必ず拭き取らせる。
  2. タイオイルなどの刺激物の入ったオイルの使用は、顔や身体のどの部分についても認めない。
  3. 試合前であっても、タイオイル等の刺激性塗布物を身体に塗ることは一切禁止する。これが発覚した場合は、注意、警告・減点の対象となる可能性がある。

バンテージ

選手は、両手の拳にテープとバンテージ以外のいかなる素材をも着用してはならない(素手でのグローブ着用は認められる)。さらに、これについては以下を厳守すること。

  1. テープおよびバンテージを施す際は、必ず試合場に到着してから着用し、試合前に必ず競技役員のチェックおよびサインを受けなければならない。
  2. 着用に関しては、あくまでも拳の保護が目的であり、強化につながる行為は禁止とする。
  3. 会場入り前のテーピングおよびバンテージ着用は認めない。

選手は、負傷などのいかなる理由であれ、ゴムやプラスチックなど、通常使用するテーピング用テープまたはバンテージ以外の材質のプロテクターを着用してはならない。但し、その負傷の状態によって、リングドクターあるいは審判員がこれを必要と認めた場合には、以下を厳守した上でこの使用を許可する。

  1. 伸縮性のテープ、サポーター、主催者の許可したパット以外は使用しない。
  2. これらを使用する際には、試合前日に行われるルールレビュー時に審判員の確認を必ず受けなければならない。
  3. 確認がない場合、選手はそのテーピング等の使用は認められず、それを取り外さなければならない。
  4. ここで使用するテープ、サポーターなどは、主催者ならびにリングドクターは一切支給しない。

計量

体重に制限のあるすべての試合は、規定時間内に規定体重以下でなければならない。
規定時間を過ぎても規定体重を超えていた場合、
1kg未満の体重オーバーであれば減点1、罰則金10万円
それ以上で2kg未満の場合は減点2、罰則金15万円
それ以上の場合は減点3で失格となり、罰則金15万円と出場費の倍額、対戦相手のファイトマネー全額を主催者に支払わなければならない。
また試合の際、計量オーバーした選手は対戦相手より2オンス重いグローブを着用しなければならない (グローブハンデ)。なお、対戦相手はグローブハンデを拒否することができるが、減点について拒否することはできない。

セコンド

選手は、2名のセコンドをリングサイドに待機させることができる。但し、この2名のセコンドは、事前に申請書にて登録されている者でなければならない。
2名のセコンドは、ラウンド中は指定された場所に待機しなければならない。
セコンドは、ラウンド中にロープやエプロン、金網などリング・CAGEのいかなる場所にも手を触れてはならない。
インターバル中に、リング・CAGE内に入ることのできるセコンドは1名のみとする。
セコンドは、ラウンド中にリング内に入ってはならない。また、選手に触れてもいけない。違反した場合、選手は失格となる。
リングの各コーナーポスト周辺に、タオルなどの物を置いてはならない。
「セコンドアウト」のコールにより、セコンドは直ちにリング外へ出なければならない。

異議申し立て

選手または所属団体の責任者は、審判員の宣告及び裁定に対し、大会中に異議申し立てを行うことはできない。
申し立てがある場合は、書面にて大会終了後から2週間以内にプロモーターに提出することができる。プロモーターは、異議申し立てがあった場合、2週間以内にこれを審議し、書面にて返答しなければならない。

罰金

試合当日、契約された試合において特段の理由なく試合を行わなかった場合は罰金200万円とする。

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